クレヨンポップ

 去年デビューしたK-POP女性グループのCRAYON POP(クレヨンポップ)がももいろクローバーZに似ていると言うので、また例によってパクリだなんだと言われているそうです。
 とりあえずPV(韓国ではMVと言うらしいですが)を見てみました。

○ Bar Bar Bar(パパパ)

 うーむ。確かに一見すると「あーももクロだー」という感じはあります。ジャージとか色分けとかの表面的なところもまあそう言えなくはないんですが、むしろ今までの韓国のガールズポップによく見られた路線とはまったく違う、意図的に安っぽさというかB級っぽさを狙っているコンセプトが「似ている」と思わせるのかもしれません。「江南スタイル」のPSYによくなぞらえられているというのもむべなるかな。
 でもクレヨンポップは最初からこの路線だったわけではないそうで、デビューした頃のPVはこんな感じでした。

○ Saturday Night

○ Bing Bing

 あーなるほど、といった感じです。韓国のガールズポップグループって、割と年上のお姉様たちが成熟したダンサブルポップを展開しているのが多いと思うのですが(大ざっぱな表現だなあ)、元々のクレヨンポップ(いまミスタイプで「ケロヨンポップ」って打っちゃったよ)はたぶんその予備軍と言いますか、K-POPのお姉様方の境地を目指している発展途上のワナビーなミドルティーン、といった感じのコンセプトを狙ったように見えますね。でもこの方向性はいまいちウケが良くなかったようで、いきなりヘルメットやジャージ姿や直列5気筒ダンスに方向転換してB級的な話題性を狙いに行ったということでしょうか。とはいえ、方向転換と言っても最初から成熟途上の少女というコンセプトは持っているので、180度ガラッと方向を変えたというより、元の路線にB級度やネタ度を大幅にトッピングした感じではあります。まあ、そのトッピングの中にももクロ成分もたくさん入っていたんでしょう。
 ただ、元のクレヨンポップの路線が舞台衣装などで意図的に統一感を排して5人のバラエティ性を演出していたのに対して、今の路線ではグループとしての意匠の統一性が増して、かえって他のK-POPグループ等に似かよってきたような印象も受けるようになったのは、ちょっと皮肉かもしれません。

○ Saturday night - Music Bank

 こういうてんでばらばらなステージ衣装でダンスがシンクロしているというのも、『ウエストサイド物語』のガールズ版みたいで面白いと思うんだけどなあ。


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CRAYON POPはももいろクローバーZを越えられるのか? ─ Kstyle PICK UP 2013年8月19日