ガンダム漬け(3)

 昨日書いた『SEED』『SEED DESTINY』『AGE』の他にも、その合間に『ポケットの中の戦争』とか『00』(の一部)とか、今年は未見のガンダム作品をたくさん見ました。ネタだけは断片的に耳にしていましたが、知らない間にガンダムはずいぶん進化していたんだなぁ、と感心することしきりの一年だったように思います。
 何だかんだ言って、ガンダムもまた時代の空気を如実に反映するものなんだなー、というのがこの一年の収穫だったかもしれません。正戦論に走る人々が激突する世界を描いた『SEED』。その中で自分はどういう道を選ぶべきか迷いとまどう人々や国家を群像劇として描いた『SEED DESTINY』。混迷する世界に対してはただ超越的にそれをコントロールするしかない、という操作主義的なテーゼを描いた『00』(まだ最後まで見てないけど)。ファーストはファーストで、70年代当時の(ベトナム反戦運動から連続した)ニューエイジ運動等の空気を色濃く反映しておりました。
『AGE』についてはまだ結論らしきものが出ていないのですが、これまで「過去」「歴史」を捨象してひたすら自分の「若さ」だけに任せて先走っても特に困らなかった人々に向けて、それだけでは物事が立ち行かなくなるという観点をガンダム作品として初めて提示した、とは言えるかもしれません。「3・11」後に初めて提示されたガンダム作品、として『AGE』を解釈する見方が、何となく自分の中でもやもやと渦巻いていたりします。