シージェッター海斗

 90年代後半から2000年代にかけて、全国各地でご当地を守るローカルヒーローが続々登場しました。中には、最古参企画の一つである鹿児島の「離島戦隊タネガシマン」や、企画の完成度の高さで話題になった秋田の「超神ネイガー」(テーマソングを歌うはあの水木一郎“アニキ”)、ネイガースタッフの協力を受けた姉妹企画のような沖縄の「琉神マブヤー」など、全国的に話題になったものもあります。
 先の大震災でもっとも大きな被害を受けた被災地の一つである石巻にも、やはりローカルヒーローがいます。といっても私は名前を知っているくらいで、実はあまりチェックしていなかったのですが……

石巻のオリジナルヒーロー「シージェッター海斗」CD発売-新曲も(2011年8月20日)

 もともと石巻では、『仮面ライダー』等の様々なヒーローの原作・原案に携わった漫画家の故・石ノ森章太郎宮城県出身)に由来する「石ノ森萬画館」を起点に、特撮スーパーヒーローを前面に出したイベントなどが企画されており、「シージェッター海斗」も石ノ森自身の未発表のデザインを元にした、ローカルヒーローとしてはかなり本格的な作りになっているようです。元が石ノ森オリジナルデザインに由来しているせいか、イナズマンやロボット刑事の意匠を感じさせるデザインが特徴的です。
 今回発売されたCDの一曲目に収録されている曲は、テレビ番組のオープニング曲に相当するメインテーマソングとしてもともと存在したものですが、この震災を機にして新曲(番組でいえばエンディング曲相当?)と合わせて再販されました。歌うは水木アニキに負けず劣らず暑い、いや熱いヒーローソングで有名な遠藤正明さんに、新曲では影山ヒロノブさんときただにひろしさんまでが加わるという、もう名前を聞くだけでどんどん汗が吹きでてきそうなラインナップです。曲自体も非常にストレートでかっこいいヒーローソングに仕上がっています。
 紹介記事の中で遠藤さんが語っている、「近い将来、この災害に遭ってしまったみんながこの歌を聞き返して『あの時はこの歌を聞いて頑張ったなぁ…』と懐かしく思える日が早く訪れることを切に願っている」という言葉が、非常に強く印象に残ります。災害に限らず、みんなの記憶の中に生きる「ヒーロー」はたぶんそういうところで大きな価値を持つんでしょうね。

石巻のオリジナルヒーロー「シージェッター海斗」CD発売-新曲も(2011年8月20日)

 石ノ森萬画館を運営する「街づくりまんぼう」(石巻市)が8月1日、宮城県石巻市のオリジナルヒーロー「シージェッター海斗」のテーマソングCDの販売を始めた。
 同社では2004年12月に「シージェッター海斗」テーマソングのCDを発売。これまで約4000枚を売り上げていたが、東日本大震災の津波で残りの在庫を全て流失。作詞と歌を担当した石巻出身のアニソン歌手・遠藤正明さんがそのことを知り、再制作に立ち上がった。「石巻で復興応援ライブを行った際、震災に遭った男の子が泥だらけの海斗のCDを持って来てくれた時に『新しいCDを早く作ってあげなきゃ…』と強く思った」(遠藤さん)。
 「せっかくだから新曲も作ってあげたい」との思いから、「不滅のヒーローSEAJETTER KAITO」を新たに収録。海斗の活躍と震災復興の願いを込めた曲で、作詞・作曲は遠藤さん、歌には遠藤さんのほか、影山ヒロノブさん、きただにひろしさんも加わった。「俺が自分の故郷や仲間たちを思う気持ちはもちろん、海斗が石巻の子どもたちを、そして震災に遭ってしまったみんなを思う気持ちもこの曲に込めた」と遠藤さん。
 価格は1,200円。販売開始から約3週間で800枚を売り上げた。遠藤さんは「音楽で世界や政治を変えることはできないけど、この曲を聞いてくれる人がちょっとでも元気になってくれたり前向きになってくれたり、一息ついてくれるお手伝いができれば。近い将来、この災害に遭ってしまったみんながこの歌を聞き返して『あの時はこの歌を聞いて頑張ったなぁ…』と懐かしく思える日が早く訪れることを切に願っている」と話す。「やまない雨はない。明けない夜はない。みんなの笑顔が輝くように俺は歌でエールを送り続けていきたい」とも。
 石ノ森萬画館の通販サイト「墨汁一滴」のほか、宮城県アンテナショップ「宮城ふるさとプラザCOCO MIYAGI」(東京都豊島区)、東京アニメセンター(東京都千代田区)でも取り扱う。

http://sendai.keizai.biz/headline/985/

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「シージェッター海斗」Official Site