見直し

見直す

これは「レビュー」の意味でごく中立的な意味を持ちますが、
「俺、おまえのことを見直したよ」
という、「よい」見直しもあり、
不良債権の見直しを進めた結果、○×銀行は債務超過に陥ることが判明いたしました」のように、結果が「わるくなる」見直しもあるのだということに気がつきました。(1999 6/15)

まりんきょ学問所 ─ メビウスのことば

 中立的だからこそ、その結果が「よい」方向になるのか「わるい」方向になるのかは問わないという言葉なのでしょう。ただ、それまでの慣例的な認識・行為とは異なるものをあえて持ち込むという、いわば「変化」のニュアンスを強く帯びているので、慣例的な流れからの変化を良しをしない人にとってはあまりいい意味を持たないことの多い言葉かもしれません。似たようなところでは、最近「仕分け」なんて言葉もありますね。
「見直し」という言葉に対応する英語としては、reviewの他に、revise(名詞の「見直し」ならrevision)が配されることがあります。これは90年代初頭頃だったか、アメリカの政論で「日本に対する評価を、主に厳しい方向にrevise」することが流行した時に、この流れを指すRevisionismやRevisionistを「日本見直し論(者)」と訳したのが有名な例かと思います。これはreviewの結果として得られた「こう変化させるべきだ」という結論を元の認識や行為に反映させるところまでを含めた、reviewよりもさらに踏み込んで「変える」ニュアンスを強く帯びた言葉ではないかと思います。