化石水

リビアの砂漠の中には、巨大な「化石水」の地底湖があることがわかった。
化石ができた太古の時代から地面に溜まっていたから、化石水と呼ぶという。
この化石水を利用して、とんでもないプロジェクトをリビア政府は考え、
そして実現している。
砂漠の中にある地底湖に深井戸を掘り、
そこから全長1900キロのパイプラインを地中海側に引いて、
海岸部から砂漠を農地化しているのだ。
あるところから、ないところに引く・・・
単純な発想だが、計画が壮大だからすごい。
そして、実行してしまうところが、なおすごい。
さすがカダフィを率いる国の考えることは違う。

砂の下の秘密 ─ His Diary 2001年1月9日
地下の水資源、“化石水”が枯渇する?

 雨が少なく乾燥した地域では、「化石水」が貴重な資源になっている。化石水は地中に残存した海水が地下水となったもので、太古の昔に生成され、地下の巨大な貯水場である帯水層に蓄積されている。しかし、化石燃料と同様に確かな埋蔵量はわからないが、徐々に枯渇しつつあるという。
 イギリスのオックスフォード大学の水文地質学者マイク・エドマンド氏は、「限られた地下資源を消耗している点では石炭や石油と同じだ」と話す。「掘り尽くせばそれで終わりとなる」。
 化石水は水資源に乏しい多くの国々で唯一の拠り所となっている。例えばリビア国民の生活を支えているのは、1950年代の石油探査中にサハラ砂漠の地下で発見された7万5000年前の帯水層だ。
 北アフリカに位置するリビアは、地中海に面し降水量が少ない。大半の人口が沿岸部に集中し、一帯の地下水は半塩水化が進み枯渇寸前だ。
 同国では最高指導者カダフィ大佐が1980年代に大規模人工河川プロジェクトを開始して以来、導水管や貯水池などの大規模な基盤整備が行われている。約1300カ所の化石水の井戸から一日当たり650万立方メートルの水を汲み上げて送水する予定だ。
 だが専門家は、化石水の保全対策や技術を確立しないと一時しのぎに終わってしまうだろうと警告している。

Yahoo!ニュース/ナショナルジオグラフィック公式日本語サイト 2010/5/7

 最近では淡水が世界レベルでの稀少資源としてビッグビジネスの対象と捉えられる傾向もあるようですが、果たして人間はいつまで水を手にすることが出来るのでしょうか。