あなたのお名前なんてえの

6Pチーズは非常に危うい立場にいる。 6Pチーズとは円形のチーズが60度毎に6つに切ってあるやつだが、その6という数だけが名前の拠り所であるというおそるべき事実!「6個は多すぎる」というお客様からの要望を考慮して、半円のケースに6Pチーズが3つ入った商品を開発したとしても「6Pチーズハーフパッケージ」とか「6Pチーズ3個セット」とは言えない。そのときは「3Pチーズ」になるわけだ。同じものなのに違う名前が必要になる。まったくひどい話である。
(略)
個数を元にしたネーミングはパッケージングに厳しい制約があり、がんじがらめである。このような制約にしばられにっちもさっちもいかない悲しい6Pチーズをこれからも応援していきたいと思う。……

ちょっと(どうでも)いい話 「6Pチーズ」 ─ たつをの日記 1999年4月5日

 なんか「仮面“ライダー”という名前なのにバイクに乗らないのはけしからん」みたいな話を思い出します(笑)。
 一般的な意味を持った名詞の組み合わせで固有名詞を作り、その後当初の一般的な意味が失われた後にも固有名詞としての当初の名前だけが残ると、名前と中身がかけ離れてしまう……というのは、よく探すと他にも結構ありそうです。「征夷大将軍」だって元々は「東北の蛮族(蝦夷)を征する」という意味から作られた官職名ですが、徳川幕府の時代にはもうそんなの全然関係無くなっちゃって名前だけが残った格好になってますし。