領域

今日、現場の資材倉庫周辺の敷地内での整理作業があった。
隣地境界付近のスペースは雑草が生えてくるのを防ぐために古いシートを敷いてあるのだが、それでも“雑草精神”に長けた雑草たちがシートをふくらませて生えていた。たろすけのグループ４人はそのシートの上を歩き回り作業を行っていたのだが、近所のおばあさんが塀のネット越しに声を掛けてきた。野良猫がシートの下のふくらみの中につい最近子猫を４匹産み落としたのだと言うではないか！そりゃあ大変とシートを片っぱしからめくり大捜索！そしてまもなく発見！よくもまあ踏まれずに無事だったこと！ただ残念なことに１匹は他の仲間の証言からカラスに連れ去られたことが判明。……

（子猫たちに幸あれ！ ／ たろすけ大分・雑感日記　2003年4月24日）

　地面にシートをかけて空間を確保する行為は、一時的にではあれ、その領域・空間を人間の特定の意図に従わせようとする意志の現れに当たります。「この領域には雑草が生えてはならない」とか「この領域には今のところこういった種類の物を置いて構わない」とか、そういった意図。
　でも、地球上の物理的な空間には別に人間だけが存在しているわけではないので、人間の意図によって定義された領域を「侵犯」するようないろんなものが、その領域にはしばしば出現します。相手が人間なら「あーっそこにそんな物置いちゃダメダメ」と注意すれば領域の秩序は維持・回復されるでしょうが、雑草や猫はそんな人間様の勝手な空間的秩序の設定などお構いなし。